パニック障害
Panic disorder
パニック障害とは?
パニック障害は、突然激しい恐怖や強烈な不快感におそわれ、動悸、発汗、震え、息苦しさ、めまい、手足のしびれ、嘔気などの症状が出現する「パニック発作」を繰り返す病気です。10代から40代にかけて発症し、男性よりも女性に多いことが知られています。
発症の要因は?
パニック障害には何らかの遺伝要因が関与していると考えられていますが、未だ原因は明らかになっていません。通常、生命の危機に直面するような場面に遭遇した際、多くの人は強い恐怖を感じ、危険を察知して回避する行動をとります。こうしたストレス反応は生命を維持するために必要なものですが、パニック障害ではこのストレス反応が過剰に起こっていると考えられています。
どのような症状ですか?
障害のサインとして、パニック発作・予期不安・広場恐怖があります。
代表的な症状
- パニック発作
パニック発作は、はっきりとした理由がないにも関わらず、何の前触れもなく突然生じます。強い恐怖感と様々な身体症状が出現するため、「このままでは死んでしまうのではないか」と感じ、救急外来を受診することが多いですが、身体的な異常はみつかりません。症状のピークは10分以内で、通常、20~30分で発作は消失しますが、「1時間くらいは症状が続いた」と感じることが多いです。 - 予期不安
パニック発作が繰り返し生じることで、「また発作が起きるのではないか」と過剰に心配することを予期不安といいます。いつ発作が起こるか分からない状態を不安に感じ、日常生活の行動が制限されてしまいます。 - 広場恐怖
実際にパニック発作が起きた場所やパニック発作が起きると助けが得られない状況に対する恐怖感を広場恐怖といいます。広場恐怖があると、電車やバスなどの公共交通機関を避けるようになったり、一人での外出が困難となることで学校や会社、買い物に行けなくなる等、日常生活に支障をきたしやすくなります。