幻覚・妄想について
hallucinations / delusions
幻覚・妄想は統合失調症だけにみられる症状ではありません。統合失調症以外の精神疾患や、身体疾患でもしばしば出現します。
統合失調症に関連した精神疾患
- 急性一過性精神病性障害/短期精神病性障害
何らかのストレス要因をきっかけに妄想、幻覚、まとまりのない言動、錯乱状態が急激に発症し、比較的速やかに改善します - 統合失調感情障害
統合失調症と双極性障害の両方の症状がみられます - 妄想性障害(パラノイア)
長期的に妄想が存在しますが、陰性症状はみられません
その他代表的な疾患と症状
- 重症の躁状態 「天皇の末裔だ」(誇大妄想)
重症のうつ状態 三大微小妄想 - 「重大な罪を犯した」(罪業妄想)
- 「お金がない」(貧困妄想)
- 「不治の病にかかった」(心気妄想)
- アルコール離脱せん妄 「壁にたくさんの虫が這っている」(小動物幻視)
レビー小体型認知症 - 「知らない人が家の中に立っている」(幻視)
- 「夫が別人と入れ替わっている」(妄想性人物誤認)
特に高齢者では、脳の障害や身体疾患による「せん妄」が起こりやすく、意識障害に伴って幻覚・妄想がみられることがあります。このため、頭部画像検査や血液検査などを行い、脳を含めた身体的異常が関与していないかを調べることが重要です。